Zaurus 標準の日本語入力はそんなに悪くない!!


 こちらの blog 『Zaurus ではてなハイクと Twitter を掌に… <cli/haiku.php> - カミクズヒロイ /bin』にこんなことが書いてありました。
 『なんだか評判の良くない Zaurus の日本語入力機能ではありますが、私は結構気に入っています。
 う〜ん、この意見には、私も同感で、『Zaurus 標準の日本語入力はそんなに悪くない』と思っています。
 ということで、私と同じことを思っている人がいるんだなぁと、ちょっとうれしくなってしまったのでこの記事を書きました。
 今回、SL-Zaurus 標準の日本語入力を褒めているのを初めて見ました。(ネット上でという意味ですけどね)
 でも、ネット上の評判はさんざん(こちらこちら)で、褒めているのを見たことはありませんでした。でも、内心『そんなに悪くないけれどなぁ』って思っていましたが。
 実は、この件では、以前、 ujip さんの blog の記事 『ザウルスで長文入力は無理』にコメント欄で噛みついたことがありました。
 以下、コメント欄への投稿の抜粋です。

『ujip さん、こんばんは。はじめまして、ブースカと言います。
良く、SL-Zaurus の漢字変換をボロくそに批判する人がいますが、きっとだらだらだら?っと入力して、一気に変換かけて、文節を切り直して再変換という操作をする人なんだろうなぁと思っていましたが、ujip さんもそうなんですね。
SL-Zaurus の漢字変換システムって、辞書の学習方法(直近に入力した単語の学習強度が一番強い)も含めて、そもそも複文節変換用に設計されていませんよね、それをむりやり複文節変換で使って、これは使えね?って言っても、それは無いものねだりというものだと思います。
年がばれてしまいますが、私のPC上の漢字変換システムの遍歴は、NEC 単漢字変換(PC-8801 N88-BASIC)→ VJE(PC-9801 MS-DOS)→ ATOKPC-9801 一太郎 Ver3 MS-DOS)‐途中省略→ ATOK 2008(現在)です。単漢字変換をスタートに育って来た関係で基本的に短い文節で変換するくせがついているので SL-Zaurus の漢字変換でも快適に文章作成しており不満はありません(辞書の不充分なところはユーザー辞書を活用していますが)。ちなみにこの文章も SL-Zaurus で快適に作成しました。(考え考えなので20分ぐらいかかりましたが)
ちょっと、発想をかえて体の方(操作)を SL-Zaurus に合わせてやる努力をしてみたらいかがですか? SL-Zaurus の持っている機能を最大限に引き出すように人間側が譲歩することでストレスなく、今後も長く使って行けると思うんですが、いかがでしょうか?私はそのように努力して使っています。
今回の場合は、今後なるべく短い文節で区切って変換する努力をしてみたらいかがでしょうか?』

 この、コメントを投稿した時は、記事を読んでちょっとカッとしてしまい勢いで投稿してしまいました。後で読み返したら結構きつい言い方になっていたなぁと思い、ujip さんには後日、謝罪したという経緯があります。
 まあ、この辺の評価は、『連文節派:だらだらっと入力して、一気に変換する』か『単文節派:割と短く文節を区切って入力し、こまめに変換する』かという個人の『日本語入力のスタイル』の違いに因るところ大きいと思いますが、ちょっとだけ、発想をかえて体の方(操作)を SL-Zaurus の日本語入力システムの特性に合わせてやる努力をしてみたらいかがですか? SL-Zaurus の持っている機能を最大限に引き出すように人間側が譲歩することでストレスなく、今後も長く使って行けると思うんですが、いかがでしょうか?私はそのように努力して使っています。

Zaurus 標準の日本語入力を上手に使うコツ

 それでは、SL-Zaurus の日本語入力の特性を生かしてその機能を最大限に引き出すような使い方について説明します。
 ほとんど、先にご紹介した blog 『Zaurus ではてなハイクと Twitter を掌に… <cli/haiku.php> - カミクズヒロイ /bin』の中で言い尽くされていると思うので、以下、引用させてもらいました。

うまく使うコツは…
□単文節変換のつもりで使う
 連文節変換の方が快適だとは限らないのです。
□目的の漢字が出なかったら「音訓(Fn+Space)」
 いわゆる単漢字変換です。場合によっては初めから音訓変換にすることもあります。
 押しやすいキーコンビネーションなのでパカパカと切り替えてやるとなかなかイイです。
□静的単語補完機能を使う
 例えば「にほんご」と入力して「日本語」で確定した後、「に」と入力して変換す
 るだけで「日本語」が候補に出てきます。
 この機能があることをツイ忘れて、同じ単語を変換するのにいちいち全部入力して
 しまったりもしますが、うまく使うとアレがナニします。
全般に Zaurus のコレはモバイル環境で短い文を繰り返し入力するのに適した仕組み
になっていると思います。そこをつかむと割とヨイ感じに使えると、そういうことで
す(たぶん)。

 あと、若干補足すると、
 コツは、以下の Zaurus 標準の日本語入力システムの特性(設計の考え方)を理解して使うといことに尽きると思います。

Zaurus 標準の日本語入力の特性(設計の考え方)
単文節変換に向いている日本語入力システム
できるだけ少ないキー入力で文字入力できるように設計されている
辞書の学習方法は、直近に入力した単語の学習強度が一番強い

以上、まとめると

  • 単文節変換に向いている日本語入力システムだと割り切って使う - 割と短く文節を区切って入力し、こまめに変換する
  • 単漢字変換([Fn]+[Space/変換])をうまく使う
    たとえば、「日(ひ)」を変換したくて、[h]+[i]+[Space/変換] で通常通り変換すると、辞書学習した単語が選択候補の先頭に表示され、目的の単語「日」になかなかたどり着けません。この場合は明らかに [Fn]+[Space/変換] で単漢字変換を実行した方が素早く目的の単語にたどり着けます。
通常変換([Space/変換])により
表示された変換候補
単漢字変換([Fn]+[Space/変換])により
表示された変換候補
  • 辞書の学習方法(直近に入力した単語の学習強度が一番強い)を逆手に取ってうまく使う
    不評(「gakuoff」という辞書学習を停止させるユーティリティまで公開されているぐらい)な辞書学習の機能ですが、逆手に取ってうまく使いましょう。たとえば、直前に「インターネット」という単語を入力したとして、この単語を再度入力する場合は「い」と入力し [Space/変換] で変換すれば、一文字の入力で「インターネット」と変換され大幅なキー入力の短縮になります(SHARP では、取扱説明書で『短縮変換』と呼んでいます)。
  • ユーザー辞書を有効活用する
    詳細は下記を参照してください。
  • SL-Zaurus の日本語入力システムの特性を知り、その機能を最大限に引き出すように人間側が譲歩することでストレスなく使えるはず
□ユーザー辞書の活用

 これは Zaurus の日本語入力に限ったことではありませんが、できるだけ少ないキー入力で文章を入力できるようにユーザー辞書を有効活用することです。
 以下は、私がユーザー辞書に登録している単語の一例です。

  • 「固有名詞」や「専門用語」をユーザー辞書で補完する
    登録されていない「固有名詞」や「専門用語」をユーザー辞書で補完する。
    専門用語として登録している単語の例、「圧着」、「移設」、「換装」、「共振」、「欠相」、「終端器」、「電測」、「偏波
  • 文字数が多く(キー入力の多い)かつ頻繁の使用する単語を1文字の見出しで辞書登録する

   【例】

登録見出し語 登録単語 辞書登録後
の入力
辞書登録前
の入力
辞書登録前の
入力文字数
辞書登録後の
入力文字数
「あ」 アップリンク a appurinnku 11文字 1文字
「だ」 ダウンリンク da daunnrinnku 12文字 2文字
「か」 回線設計 ka kaisennsekkei 14文字 2文字
  • 使用頻度が高くキーボードから直接入力できない記号を辞書登録する

   【例】

登録見出し語 登録単語
「や」 ↓↑→←
「から」
「し」
「ま」